まえがき
学生の時からやりたかったが、値段的に手が出なかった第5世代iPodの改造。
社会人になったので、やりたかったことを全部やってみることにした。
大体25000円ぐらいかかった……
なお、動画でも投稿しているので、是非そちらもご覧ください。
ベース選び
筆者は第5世代推しなので、第5世代iPodをベースにする。
世間的には人気なのは第6世代だが、Rockbox化したときに細かく音量を調整できないのが不便なので、メインでは使いたくない。
性能的には第5世代でも十分ハイレゾ音源を読み込みできるし、画面サイズも第6世代と同じだ。DACチップに至っては第5世代の方が勝るとも言われている。

ということで、ヤフオクで5.5世代の80GBモデルを落札した。(画像左)

送料含めて3000円弱の動作未確認のジャンク品だが、USBケーブルを接続すると普通に起動した。しかし、LCD不良があったので、あまりお得ではない。
HDDかバッテリーが死んでるものをベースにするのがコスパいいと思う。(交換するので)
修理&改造
分解

第5世代は、部品を買うと付いてくるプラスチックのヘラだけで十分なぐらい、簡単に分解できる。
バッテリーのFPCだけは取り扱いに注意。
ハードディスクとバッテリーは使わないので先に取り外してしまう。
LCD&ハウジング交換

以下3つをアリエクで買った部品で置き換え。
- LCD ←表示不良
- クリックホイール ←ぼろかった
- フロントパネル ←ぼろかった
LCDはFPCだけなので交換は簡単。

クリックホイールの交換は基板をマグネシウムのフレームから浮かせる必要があり、少し面倒だったし、破損のリスクがあるのであまりおすすめはしない。
ストレージ交換

大容量化のため、iFlash QUADを使ってmicro SDカード化する。
近年は大容量のSDカードも割高ではないので、iFlash Soloでもよいかと思ったが、バッテリーを大容量化するためにはmicro SDを使うQUADが必要だった。
SDカードは紆余曲折あった後に、SamsungのEVO Plus 256GB ×2の512GBで安定した。
microSDは使う前にSDAssociationのフォーマッターで上書きフォーマットした。

バッテリー

80GB HDDからiFlash Quadに交換して、内部スペースが余ったので、自称3000mAhのバッテリーを取り付ける。
ネット情報によると実際は2000mAh程度だそうだが、それでも純正の数倍はある。
定格は3.8Vと書いてあるので、純正品よりも高い電圧範囲を持つようだ。そのため、iPodの充電仕様ではマックスに使うことはできないが、余裕のある状態で使えるので、劣化や膨らみのリスクは抑えられるだろう。
結構柔らかい感じのパッケージなので、内部で力がかかったり、金属部品の端が刺さったりしないように注意が必要。
復元

仮組して動作確認をすると、PCに接続してくださいという表示が出た。ストレージに何も入っていないので、これが正常。
パソコンに繋いで、iTunesを開くと、復元が必要なiPodがあると言われるので、ポップアップに従って復元すると、
新しいiPodとして認識される。これで大容量化したiPodとしては完成である。
Rockbox化
筆者はWindows & Androidユーザーで、楽曲データもflacで保存しているものが多く、iTunesは不便極まりない。
そこで、オープンソースの非純正ファームウェア「Rockbox」を入れて、普通の音楽プレーヤーのようにエクスプローラー経由で音楽を入れて、再生できるようにする。
flacのハイレゾ音源もそのまま再生可能だ。
Rockbox Utilityで導入が簡単になったとはいえ、文鎮化等のリスクがあるので、注意が必要だ。
ダウンロード
Rockboxをインストールするための「Rockbox Utility」というツールを使ってインストールするのが楽。
以下より、最新バージョン(Rockboxバージョンとは一致しない)をダウンロードして実行する。
インストール

正常に動作するiPodがPCに接続されていれば、Rockbox Utilityは勝手にiPodを検出して、最適なソフトウェアを選んでくれる。
そのため、ただインストールを押すだけで、待っていれば作業が終了する。
※ 世代によっては再起動等の操作が必要
テーマ変更
デフォルトでは、なんというか、古き良きデザインをしているので、以下の公式サイトより有志の方々が作ったテーマをダウンロードして適用する。
色々なテーマがあって楽しいが、特殊なフォントを使ったものは日本語化で崩れてしまうので、シンプルなテーマを使うのがおすすめ。
今回は「adwaitapod」を適用してみた。
テーマは解凍したフォルダを全部.rockboxの下にコピーして、本体のテーマ設定から適用するだけだが、日本語非対応の場合は次の作業が必要。
テーマ日本語化
テーマファイルは以下のような構成。
.rockbox/
├─ fonts/ ← フォントファイル
├─ icons/ ← アイコン画像
├─ themes/ ← テーマ設定ファイル (.cfg)
└─ wps/ ← 再生画面レイアウトファイル (.wps)
この中のthemesにある.cfgファイルをメモ帳などで開き、
font: /.rockbox/fonts/ここを日本語対応フォントに書き換える.fnt
の部分を書き換えて、日本語対応のフォントを設定する。
日本語対応のフォントは以下のサイトが参考にした。
適用

テーマファイルを適用すると、このように純正とは全く違うデザインになる。稀に上の手順では日本語化できないものもあるので、注意。
完了

これで、iPodのストレージ・バッテリーの大容量化、Rockbox化が完了。
この記事を書く前に数か月使用しているのだが、今のところ正常に動作しているし、バッテリー持ちも頗るいい。
昼休みだけの使用なら、1か月充電しなくても使えるぐらいだ。
この調子ならiPodはまだまだ現役で使えるだろう。